GEZAN12/17 UNIT ワンマン直前インタビュー

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– 話は少し戻るけど、じゃあなぜ『バンド』という形態を選んでいるんだろうね。他の表現手法とどこが違うのかな。

 

「まず『バンド』は失敗できるって所が違いますね。せーので音出しても失敗しちゃう事もあるっていうか。逆に言うと、成功できるんですよね。瞬間、の濃度が上がるんですよ。そこを俺ら大事にしているのかな。自分たちがステージにいて、正直になっちゃうっていうか。イメージみたいなのがはっきりと出やすい。それを楽しめるのかで『バンド』という表現が好きなのかが変わってくるのかもしれないですね。

 

– そう聞いてると、GEZANとしての気持ちと、イベント主催としての気持ちもあって。忙しいな(笑)

 

「全感覚祭を今年やって、気付いた事もいっぱいあって。出来た事も出来ない事ももちろん沢山あって。別によくばるつもりは無いんですけど。実際、相当トラブルもあったし。でもイベントは、欲張るつもりもないし、拡大がイコール成功とも思ってない。この先おっきくなるのか、ちっちゃくなるのか、続けるのかも含めて、2016年に思う自然とそれを形にしていけばいいと思ってて。ただ、気付いた事を音楽にしたりとか、行動にしたりのリアクションだとか、そういう表現を形にしてもいいって状況を自分達が持ててるのは、幸せな事だなと思ってますね。

 

– レーベルもやってるけど、他のバンドに対してはどう思ってるの?

 

「十三月の甲虫っていうのは、外から見たら、『仲間』って見えてると思うんですよ。まあ、仲間は仲間なんですけど。でもやっぱり、VOGOSにはVOGOSのスジがあるし、KK mangaにはKKのスジがあるし、俺もあいつらもお互い理解出来ない事があると思うんですよ。でも、それでいいって言うか。みんな、当たり前だけど全然違うから。俺は場所は作るけど、そこで良い顔したり、良いモチベーションまで持っていくのは各々の仕事で。全感覚祭でも、自分らは自分らのスジ通してる奴ばっかりでしたから。そこで、俺は俺でがんばるから、お前はお前でがんばれよ、みたいな気持ちはあって。

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– GEZANにとってのスジっていうか、正しいってなんだろうね?

 

俺は、新しいとか古いとかはどうでもいいと思ってて。なんていうんですかね、決まってた気がするんですよ。タカくんがギター弾くし、尾崎くんはベースやってるし、シャークがドラム叩けるし。俺もなんか歌ってるし。それって、男で産まれたとか、女だとか、カレーの方がシチューより好きとか、タバコは吸うとか。そういうレベルの話だと思ってるんですよね。色んな人が居て、その人のドキュメントに対して正直に生きるのが一番正しいって思ってるっていうか、その人なりのリアルがある訳だし。

 

– なるほどね。ワンマンはなんでこのスピードでやろうと思ったの?年内だと早いかな?って思ったんだけど。

 

今年も色んな人とライブやったり、十三月の甲虫でリリースに関わってきたりもしてきたんですけど。後を振り返ってみて、自分たちの仲間が居て、そいつらと作ってきた事もすごく楽しかったんですけどね。ボディランゲージ、セミファイナルジャンキーとか。にんじん展もMEAN JEANSもPEEPOWも全感覚祭も、もちろん全部自分達のやってきた事なんですけど。四人だけにたちかえっておれたちは見る必要があるなと思ったんですよね。何を見てきて、何を感じてきたのか。

 

– 自分たちは変われたのか、って事かな?

 

俺ら、FUJI ROCKのルーキー・ア・ゴーゴーに出て、その時に大阪から東京にそのまま出てきたんですけど。そのFUJI ROCKで見たレディオヘッドのライブがけっこう衝撃で。人が多くて。もう、半端ねえなこの人数!と思って。人が集まって、エネルギーが集まるって、もうそれだけで凄いなと感じたんですよね。レディオヘッドって俺一枚もCD持ってないし、聴いた事なかったんですけど。とにかく『凄い!』と思って。その時同時に、俺がここに立てなきゃ嘘だなって感じて。さっき、自分の中のドキュメントに正直に生きるのが正しい、って言ったんですけど。俺のドキュメントがこの景色を見せられてただ悔しいままで終わる訳無い!って思ったんですよね。

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