GEZAN12/17 UNIT ワンマン直前インタビュー

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自ら企画し、自らの力で作り上げたイベント『全感覚祭’15』を11月1日に終え、翌月のワンマンライブを発表したGEZAN。
まる一年ぶり2回目となる全感覚祭は、郊外新興住宅地駅近くの多目的スペースで行なわれたフリーライブという状況にしては異例の集客数であり、また出演バンドの中でもGEZANは主催として、一段と光り輝いている様に見えた。

もちろん、想像以上にトラブルも多発しただろう。
多くの準備期間を費やし、全て手作りで行なわれたイベント。

開催の二日間、機材を守る為、コンクリートで作られたステージの上で寝泊まりしたメンバーもいたらしい。
友人の助けも合ったにせよ、手間と結果が釣り合っていたかと言われると、そうでも無い。
そこまでして行なった『全感覚祭』の目的とは一体何だったのだろうか。
それは達成出来たのか。

さらには、急ぎ足で行なう年内ワンマンライブの意味を、話してもらおうと思う。

GEZAN

内 – 大雑把な質問から入るけど、『全感覚祭’15』どうだった?イベント全体や、出演する1バンドとしても感じる事があったと思うけど。

 

色んな他のバンドを見たんですけど、直前とか特にお客さんも凄く盛り上がってて。良い意味で、自分達のやるべき事を感じる機会が多かったですね。
で、直前のどついたるねんが演ってる時、自分らは『ロックバンド』としてやると決めて勝負しようってみんなで話した。

GEZANはトリだからより凄い物を見せなきゃって気張ってたとこも正直あったんですけど。でも、素直に、色んなラインで突き抜けてるやつおるなーと思えて。
それで自分達のやらきゃいけない事はシンプルな事なんだなって思いましたね。

 

– シンプルな事ね。もうちょっとわかりやすく言うと?

 

その時『これでお客さんの反応が悪かったとしても、俺らのやってきた事をやろう』っていう話をメンバー4人でしたんですよね。
それで、自分達のやらなきゃいけない事がシャープにそぎ落ちっていくのを全員感じたというか。

 

– その感じた事が『ロックバンドとして』って事ね。でも、ロックバンドって定義が広い言葉だとも思うんだよね。どういう意味で使ったの?

 

ロックバンドが何かって言われたら、自分ではいまいちわかってないかもですね。
正直、ただの言葉だし。
でも、メンバー4人のコミュニケーションが合って、それでギアが咬んで、一つの所に向かっていく、
みたいなのを俺らは大切に思ってやってるんですけど。
テクニック的な要素から一番遠い物がロックとかパンクだって考えてて。そういう感覚からきた意味なのかなとも思ってますね。

 

– なるほど。でも、『ロック』って言葉は、長い間に言葉の意味が変わってきた気もするけど、現代では音楽的な要素よりスタンスの意味合いが強いと思うんだよね。
俺は、むしろ『ロックバンド』という言い方をした所にGEZANの4人の気持ちがある気がしたんだけど。
『バンド』って言葉を足した事の方が大事だったのかとも思うな。

 

まあ、『バンドって何だろう?』って事に近いのかもしれないですね。俺らにとっての『バンド』は、
よくそういう言い方しますけど、楽譜に出来ない感覚っていうか。
各々のフレーズとかは譜面に起こしたら単純なんだろうけど、だからってそれって楽器弾けるから替えが効くって事じゃなくて。
恋人や好きな人とか、親とかも、仮に誰か他人と能力や所得がイコールでも、全然違う人じゃないですか。
そこが『バンド』も近いですよね。俺らにとって一番大事にしている感覚なのかも。
それが、GEZANがやっていかなきゃいけない事なのかなって思ったりもしてますね。

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– 俺は、GEZANがロックなのか、パンクなのかっていうのはわからないし、そもそもロックやパンクの定義も自分じゃ曖昧だし。じゃあ、『バンド』って何かって言われると、それも何かっていうのははっきりしていないんだけど。俺はGEZANは、2015年現在の『バンド』っていう物に一つの回答を出そうとしている気がするんだよね。十年後は違うんだろうけど、今の一つの回答、というか。そういう意味で、俺はGEZANは『今のバンド』として好きなのかな。

 

回答を出そうとしてるっていうのは、凄い漠然とですけど、そうイメージしてる所もあるかもですね。
これはバンドに関わらずなんですけど、良い顔をする、っていうか、自分のプライドの見つけ方っていうか。
そういうのがセンスなのかなーって思う事がよくあるんですよ。
誇りを自分で見つける、って行為が2015年の遊び方だと思ってますね。
綺麗事みたいですけど。自分達が誇れる場所を作りたいっていう気持ちがあって。

『遊び場くらい自分で作る』っていうをよく言うんですが。『遊び場』って、言葉自体よりもっと広いイメージで、
自分達の良い顔が出来る、プライドを見つけれる場所っていうか。

 

– その『遊び場』が、全感覚祭のイベントとしての目的って事かな?

 

変な話、手本っていうと、ちょっと調子に乗ってる感じですけど。『遊び場くらい自分で作る』事の、先頭を走る!
って気持ちはあるんですよ。
『バンド』っていう形態の2015年の答えを出そうとしている、ってのと近いのかもしれないですね。

自分達も手探りだけど。この時代の、俺らなりのプライドの見つけ方というか。
それがZINE展とかMEAN JEANSをよんだり今年も色々やってきたコトだったりしますよね。

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