“BODY LANGUAGE TOUR 2022″全公演チケット販売開始のお知らせ

”BODY LANGUAGE TOUR 2022”全公演のチケット販売が開始されました。


以下、”BODY LANGUAGE TOUR 2022″について

2021 11/21、スタジオコーストのライブを終えて、楽屋に帰る廊下の真ん中で立ち止まり、ふいに声が出た。
「ツアーに行かなくちゃ。」
どこか遠くにいきたいと何度もこぼしてたけど、そっか!簡単なこと!遠くに行けばいいんだ。
ヤクモはまだGEZANに入ってフジロックとスタジオコーストの現場しか知らない。楽屋にお菓子があって、コーヒーと紅茶があり、当たり前に弁当が用意されてる。そんな環境が当たり前ではいけないとわたしは直感した。

思えばひどいライブをいくつもした。何本ギターのネックを折ったかわからないし、開始10分でメンバー四人で殴り合いになり、一曲で終了。ドラムを全額弁償したなんてこともあった。最悪の帰り道に320円の立ち食い蕎麦を並んで食べて、また治験のバイトするかーなんて話したりね。
お客さんはおろか、4バンドいるはずの対バンすら誰も見てないなんて日もあった。最後の一人がフロアから出ていき無人になった瞬間、イーグルと目があってお互い笑ったのを覚えている。あの瞬間は永遠に似ていた。
バンドは目に見えない混沌の中を手探りで泳ぎ確認し合うコミュニケーションの名前だ。わたしたちはそれから火を吹くような演奏をした。たった一人、フロアの奥に残されたPAさんに向かって。

去年の今頃のことを思い出すとそれだけで気分が落ち込んでくる。まさに最悪の滑り出しだった。カルロスが止めると言い出した1/4。元旦をあけて、新年を走り出そうとするその時だった。それから一年後の今、ツアーがはじまり、もう彼が帰ってくる椅子はここにはない。
この混沌の2021年をヤクモと共に駆けぬけた。初ライブまでの4ヶ月間一日も欠かさずスタジオに入り、毎日音楽を聞いてGEZANのビジョンを共有する。映画も一緒に作ったし、今では変えのきかないメンバーだ。その共通言語を発光させ、手触りを前進させる。
それがBODY LANGUAGE TOURの目的で、それゆえ、とてもわがままででこぼこな作りになっている。外向きに計画的に組まれた生産性のあるツアーでは全くないのは箱と対バンの羅列を見ればわかるだろう。すでに即完してるところもあるみたいだ。

ツアーの連絡を取り合っていてコロナ禍でツアーを回るのがいかに大変か思い知ることになる。
キャパは半分で箱代は変わらず、我々の寝泊まり足代などの経費も変わらない。コロナ禍なんでギャラ半分でいいですよなんて太っ腹?なアーティストはいないわけで、これは全国を走れば走るほど赤くなっていく構成なのでは?という疑念が拭えないが、今回はワンマンではなく対バンを入れることにこだわった。
体温のある人間にちゃんと出会いたい。これから出会うであろう新しくややこしい記憶、この蓄積がバンドであるわたしたちの生産性だ。無論、金じゃないんだよ。

1/21梅田クアトロからはじまるツアー初日、折坂悠太は同年生まれの歌うたい。同じ風に吹かれ、同じ長い雨に打たれて、でも違った視線の先に何を宿しているのか、わたしはベランダでタバコを吸う時なんかに思いにふける。このはじまりの日は同じ炎を囲もう。ただしわたしたちのララバイにはディストーションがかかっている。

1/22の広島はステレオレコード主催で、二階堂和美さん。美しい生き物、ずっと大好き。人間離れした光の放出。わたしもそこに住んでいる。ニカさんは孫悟空みたい。

1/23の熊本は濃い。全感覚と言葉にして思い浮かべる時に真っ先に浮かぶのは坂口恭平。生き物としての歩みに純文学を感じる(純文学って何?)ソロのHOLY DAYのM Vを作ったソノダノアと映像をまわしてくれた齋藤陽道。かんがえるけものたちが集い、なんだか磁場が歪みそうな気配があるね。きっと全感覚なライブになると思うな。

1/24福岡は青葉市子。バンドで一緒にやるのはいつぶりだろう。春の膝、温い雨、時間を丁寧に使いたい。それぞれが見てきた旅の記憶が交錯する。イメージ。イメージ。おーい、今わたしはこの風の上にいるよ?

1/25大分の別府。わたしはこの街が大好きで、いつか引っ越したいくらいに思っている。カルロスが抜けた時もお忍びで単身、この街に飛んだな。熱いお湯に浸かって見上げているうちになんだか、鈍い血で煮詰まってた思考が透明になっていって、理由はないけどまた歌えると思った。マーガレットズロースの平井さんの家に押しかけて斜陽を歌ってもらった。公園でついたため息、返してもらおうか?

1/27鹿児島、1/28宮崎は踊ってばかりの国とのツーデイズ、of emerald tourぶりの共演かな。下津とはいい思い出と悪い思い出が同じくらいある。ヤクモの凱旋、対バンして普通になるはずもない。バンドとは何かと思う時にこのバンドとの衝突は避けて通れるはずがなく、二晩とも空に半年は消えないでかい傷をつくだろう。no edgeは十三月でリリースしたナイスな奴ら。歌の現在地を問いたい。宮崎はCLASSROOM。コロコロアニキのツイートでヤクモはGEZANを知ったらしい。綺麗事じゃねえ。混乱だ、なんだか渦巻いている。このツアーの一つの目的地。

1/30は北九州。この場所には抱撲がある奥田知志さんには会いたいよな。街の雑踏の匂いが好きだ。

1/31山口印度洋、2/1岡山ペパーランド。この二日はkk mangaと回る。ツアーで交わるのは初めてなんじゃないか。すげーめんどくさいし何度も酒屋でごたついたけど、なんだかんだハマジとはいる。初めて十三月で自分たち以外のバンドをリリースしたのはkkだった。そうしたいと思う何かがあったんだろうな。ひりついた夜になるでしょう。一歩も引きません。Ayatoはハマジ一押しの山口のバンド。岡山はやっほーの新バンドで、ドリームデパート。なみちゃんやロッキーがメンバーみたいだ。なんかいい匂いがする。陽の匂い?アイドルパンチのジロウさんに呼んでもらって、行くたびにペパーは大切な場所になっていった。ロスカル凱旋。時には起こせよムーブメント。

2/3 奈良のペパーはLOSTAGEの三人と。My Favorite Blueを聞くたびに色んなことを思い出すよ。記憶はゴーストに似ている。この日、blue hourがきっと流れる。新しいページをめくるんだな。節目節目に五味って男はいるんだよな〜。なんだろうね。

2/4 名古屋ハックフィン この日は名古屋の秘宝クライムザマインドと。なんか浮かないニュース。景気良くぶっ飛ばじたいな。閉塞は切り裂けるよ。だって音楽だもん。大丈夫。

2/6 静岡は浜松フォース。トリプルファイヤー何年ぶりだろう。唯我の道をいき、どこにいても誰とワイワイいても、なんかぽつんと孤立してる感じがシンパシーがある。あと吉田くんの言語感覚結構えぐい。

2/8の福島と2/9の茨城はアップリケといく。今一番気に入ってるレゲエ?バンドで、ゆるポコに旅できるのが楽しみだ。ゆみの企画。結構な変人だと思っていて、なんか考えるとねじれてくる。ヤクモにもアップリケにも世の中にはこんな変な人もいるのだと知ってほしい。KGE THE SHADOWMENも炎も初めまして。きっとGOOD VIBES ONLYな二日になりそう。

2/10札幌ベッシーホールはディスチャーミングマンとのレコ発。蛯名さんと初めて札幌であった時のこと忘れられないな。The hatchのみどりもいて、雪の中に全裸で飛び込んだ。うん。聞こえる。ハウリングの音。リリースしたもののレコ発を札幌でできて嬉しい。この日がツアーファイナル。雪が降ってるだろうか?真っ白になりたい。

つくづくバンドってなんなんだろう?この形態の何に固執してるんだろう?わたしにはバンド自体が目的に思えるし、その冒険の名称のような気もしている。クリスマスの今日からチケットは全国発売だってね。小箱で瞬殺のところも出てきているみたいだ。

なんで東京ないんですか?ってよく聞かれたけど、そりゃあそうだよ。旅にでたいと思って組んだのだから。遠くに行きたかったんだ。でも一つの山は待っている。この内側をうねる血液の逆上が放出される日。これはある意味ファイナルと言い切ってもいい。
フジロックでの復活から、このツアーをへて、未来への指針が振り切れる日。この告知は二、三日後に出る。全国から緊急集合案件だから全部の感覚を研ぎ澄ませてほしい。

最低な時代ありがとう。全然ドキドキできる。弱音なんて吐かない。その嘔吐物にだってキラキラした銀が混じってることを知ってるからね。これからどんな時代が待っててもイメージが紡ぐ夜の強度を知っているから、わたしたちは負けない。負けようがない。そのことの証明を共に確認できたらいいな。
あ、メリークリスマス。

2021 12/25 マヒトゥ・ザ・ピーポー

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